裏なしの服に片玉縁ポケットを付ける際、ポケット袋布の周囲を袋縫いしたいことがあると思います。
しかし、本やインターネットでその方法を調べてみても意外と見つかりません。専門学校でも教えてもらえないと思います。というか、専門学校ではポケット自体さらっとしかやらないので後々ポケットで苦労することが多いのではないでしょうか?
僕自信も長いこと縫っていないと手順を忘れてしまうことがよくあります。
なので、備忘録も兼ねて作成手順を書いておこうと思います。
必要なパターン
以下のパターンが必要になります。
- 本体
- 袋布
- 玉縁布(全面芯)
- 向こう布
- ポケット口芯
今回はパンツの後に付ける片玉縁ポケットを想定して作ってみます。
ということで、以下のパターンを用意しましょう。
ポケットのサイズは幅14cm、高さ1cm。
本体の裏に貼るポケット口芯はポケットのサイズより上下左右ともに1cmずつ大きく作ります。
つまり、幅16cm、高さ3cmで作ります。
袋布はポケット口の出来上がりの両端に1.5cmずつ足し、深さは玉縁布の下端から18cmにします。
玉縁布はバイアスで取り、全面芯を貼っておきましょう。
幅は袋布と同じです。但し、今回は袋布を袋縫いするので玉縁布には両端の縫い代はつけません。
袋縫いする際に分厚くなりすぎて、汚く仕上がってしまうためです。
玉縁部分の一番上を9mmにしているのは布の厚みを考慮してのことです。
向こう布も玉縁布と同様に、両端の縫い代は付けません。
縫製手順
まず、本体の裏面に口芯を貼り付けます。
向こう布の縫い代と玉縁布の縫い代、玉縁布の玉縁になる部分は折ってアイロンしておきましょう。
袋布の外側の向こう布付け位置に向こう布をたたき付けます。向こう布には両端に縫い代をつけていないので、写真のように袋布より幅が若干小さくなります。
本体の裏面の玉縁布位置と袋布の外側の玉縁布位置を合わせて重ねます。
本体表面の玉縁位置の上端(写真の赤線)にステッチをかけます。袋布までぶち抜いてください。
本体表面の玉縁位置の下端に写真のように玉縁布を中表で設置し、ステッチをかけます(糸が白だと見えにくいので黒にしました)。
つまり、下端は上から玉縁布、本体、袋布の3枚重ねになっていることになります。
写真のように本体と袋布の玉縁位置の中心に切り込みを入れます。
角はY字型に切り込むようにしてください。
このとき、角のステッチぎりぎりの位置まで切り込まないと綺麗に仕上がらないので注意が必要です。
玉縁布を切り込みから本体裏面にひっくり返しします。
切り込んだ部分は裏面に折り、アイロンをかけておきます。
玉縁の下端の縫い代(写真のシャーペンの位置)は割って、アイロンをかけます。
切り込み部分の両端は玉縁布に叩きつけます。
3回ぐらい返し縫いしておきましょう。
先ほど割っておいた玉縁の下端の縫い代を玉縁布に叩きつけます。
玉縁布の下端を袋布に叩きつけます。
ここまで来たら、袋布を閉じます。
今回は袋布を袋縫いしたいので、まずは袋布を外表で折り、縫い代5mmで縫います。
袋布をひっくり返し、アイロンをかけ、袋布の周囲にステッチをかけます。
上端はベルトで挟む想定なので開けておけばOKです。
玉縁の上端がまだ開いているので、以下の写真のように際にステッチを落とし、上端を閉じます。
以上で完了です。
あとは必要に応じて閂を入れたりすればOKでしょう。